第73冊 ビジネスに効く教養としての中国古典  守屋洋著

やはり中国古典はおもしろい

 

こんにちは。 📚500冊読破を目指す9696です。

 

本著は、『孫子』から始まり『貞観政要』まで

14冊の中国古典から、中国古典第一人者の著者がエッセンスをまとめたものである。

10年以上前に文庫版の『中国古典一日一話』を鞄に忍ばせ、毎日のように読んでいた日々が

よみがえる。

各章よりぶっ刺さった一文を紹介します。

 

孫子孫武

 「明君賢将の動きて人に勝ち、成功、

  衆に出づる所以のものは先知なり」

 敵に先んじて情報を収集するから成功は

 保証される。情報収集に金を惜しんでは

 いけない。

  

論語孔子

 「不義にして富み且つ貴っときは、

  我に於いて浮雲の如し。」

 人の道にはずれたことをしてまで手に入れた

 富や名誉は、何の意味もない。

 

孟子荀子孔子の弟子)

 「およそ人の患いは、一曲に蔽われて

  大理に闇きにあり」(荀子

 人間の通弊は、ものごとの一面だけを見て、

 全体を把握できないところにある。

 

老子(老たんなる人物以外のこと不明)

 「上善は水の如し。水は善く万物を

  利して争わず」

 最も理想の生き方は、水のようもの。

 水は万物に恩恵を与えながら、相手に

 合わせて、争わない。

 

荘子(荘周)

 「人はみな有用の用を知りて、

  無用の用を知るなきなり」

 人は世間でもてはやされる「有用の用」に

 ばかり目が向き、「無用の用」に思い

 至らない。

 

韓非子(韓非)

 始皇帝が採用した性悪説帝王学

 「その我を欺かざるを恃まず、我が欺く

  べからざるを恃むなり」

 相手がペテンを使わないことに期待する

 のではなく、使おうにも使えない態勢

 をつくる。まさに主体的な考え方。

 

史記司馬遷

 「法三章

 人を殺したもの、人を傷つけたもの、

 盗みをはたらいた者のみ処罰し、

 それ以外の法はすべて廃止(劉邦

 これに人々は歓喜した。

 

三国志陳寿

 現代にも通用する戦略戦術 

 「烈士 暮年 壮心 已まず」

 男らしい男は年老いた晩年になっても

 若々しいチャレンジ精神を持ち続ける

 ものだ。

 

・大学と中庸(どちらも作者不明)

 「まことに日に新たに、日々に新たに、

  また日に新たに」

 毎日の惰性で過ぎていく時間も、日々に

 新たに。の覚悟で取り組む必要がある。

 まさに、死生観をもって過ごす。

 

・申吟語(呂新吾)

 「まさに説くべきの処に到りて、一句に

  便ち千鈞の力あり。却ってまた激せず

  疎ならざるは、これはこの言の上乗なり」

 主張すべきときには、一言一言に気迫を

 込めて主張する。それでいて、感情を

 高ぶらせたり粗雑になることは無い。

 弁論としてはこれが最高である。

 

菜根譚(洪自生)

 「有生の楽しみを知らざるべからず

 また虚生憂いを懐かざるべからず」

 有限の人生、楽しくいきたいと願う

 ばかりではなく、ムダに過ごすこと

 への恐れを持たなければならない。

 

貞観政要(呉競)

 「安きに居りて危うきを思う」

 安泰な時ほど、心を引き締める。

 アタマでは理解していても、

 行じることが中々難しい。

 

やはり、学べることの多い一冊となった。

とくに菜根譚は心にしみ込む一冊となりそう。

日を改めて『菜根譚』は読破したい。