第59冊 孫社長にたたきこまれたすごい「数値化」仕事術 三木雄信著
どんな焼肉もその美味しさは徐々に減っていく。
こんにちは。 📚500冊読破を目指す9696です。
59冊目は、孫社長の社長室長としてソウフトバンクの数字思考をたたきこまれた著者の 数値化からアプローチする仕事術です。本著はとても勉強になりました。とくに自分の弱点でもある、数字の強さに関する記述は参考になりましたので、紹介します。
☆『数字に強い人』は知っている理論・法則(例:72の法則)
①大数の法則と期待値…トライアルの回数を増やせば増やすほど、確率は理論値に近づく。
例:サイコロの1が出る確率は降れば
降るほど1/6に近づく。
・勝率を上げるためには、有利なサイコロを振る(人脈、金、システムを得る)。
②鮭の卵理論…「数うちゃ当たる」をいかに低コストでやり続けるか。
・当たるまでクジを引くためには、引くコストを下げるしかない。
・孫社長は未来が読めるのではなく、成功確率を上げるための戦略を
ロジカルに組立てる。
③72の法則…複利のパワーは絶対の味方につけるべき。
・年平均の会社成長率は複利で効いてくる。
・お金の複利計算は市場、業界、会社の成長率にもあてはまる。
・複利を計算してくれるサイトがある。『高度計算サイトkeisan』
・72の法則…72を数字で割るだけ。
例:⑴年8%で成長している会社の
売上が、2倍になるまでにかかる年数
72÷8=9 よって、約9年
⑵売り上げが10億円の企業が、
5年で2倍にするには何%で
成長しないといけないか。
72÷5=14、4
よって、約14%
・前年度割れしなければ良いでは、甘い!
④限界効用逓減の法則(ミクロ経済学)…どんな焼肉もその美味しさは徐々に
減っていく。
・量が関わる物事については、食べ物以外にもこの法則が当てはまる。
・投入コストを増やしているのにアウトプットが伸びないと感じたら
いったんSTOP。
⑤ダンバー数…200人を超えたら集団を分ける。
・祖業から順調に成長してきたベンチャーも300人規模を超えた途端
マネジメントが難化。
・100人~230人の間が安定した人間関係を保てる限界(byダンバー)
⑥マジックナンバー7…1人の上司がみられる部下は7人まで。
・机に硬貨をばらまいたとき、人間が一瞬で数を認識できるのは7枚程度。
・困難は分割せよ。
⑦イノベータ理論とキャズム理論(エベレット・ロジャース)…マニア向けで
終わらないために。
・どこまで普及すれば、市場から消えずに生き残るのか。
・商品購入の態度によって以下5つのグループに分類。
イノベーター(革新者)…新しいものを進んで採用 25%
アーリーアダプター(初期採用者)…流行に敏感で影響力を発揮。 13.5%
アーリーマジョリティー(前期追随者)…新しいものの採用に比較的慎重。 34%
レイトマジョリティー(後期追随者)…新しいものの採用に懐疑的。 34%
ラガード(遅滞者)…最も保守的、流行が一般化するまで採用しない。 16%
※ロジャース氏はイノベーターは価値に着目しないため影響力がないが、
アーリーアダプターは価値に着目するため、他への影響力は大きいと考える。
一方、ムーア氏の『キャズム理論』は、アーリーマジョリティへの
マーケティングも必要。
なぜなら、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には
容易に超えられない壁がある。と提唱。
など、第4章に書かれている『数字に強い人は知ってい理論・法則』のみで
も十分読む価値がありますが、全5章すべて勉強になりました。
3000ページ以上のボリュームですが、楽しく読むことができる1冊でした。