第62冊 成功している人は、なぜ聞き方がうまいのか 八木龍平著
自分と違う意見の相手を理解できますか?
こんにちは。 📚500冊読破を目指す9696です。
62冊目は、八木龍平著
「成功している人は、なぜ聞き方がうまいのか」
です。
題名から著者が言いたいことを推測
何らかの方法でデータをとったところ、
著者のいう、成功している人たちの大多数は、
聞き方が上手い。その聞き方を紹介。
↓
成功者になるためには、聞き方を学ぶ必要がある。
という事が言いたいのかと推測できる。
さて、内容はいかに?
・共感力はゼロでいい
聞き上手=共感力のある人か?
まず、共感には2種類ある。
①シンパシー…ある考えに同意・指示をする。
同じ立場や意見の人に抱く感情。
②エンパシー…他人の感情や経験を理解する。
違う意見や立場の人を理解する能力。
よって、シンパシーは感情だが、エンパシーは能力。
ここでいう、共感力はゼロでいいのいう共感力とは、
「シンパシー」のこと。
※聞き上手に必要なのは、違う意見の相手を理解する能力。
・人の器は聞く力で測れる
あなたは職場などで自分の話ばかりしていないか?
器が大きいと評価されるのはこんな人。
→自分と違う意見でもちゃんと受け入れられる。
自分の知らない話に耳を傾けられる。
わからない事に耐える力(人の器)が聞く力には必要だ。
・わからない状態に耐える力
(ネガティブケイパビリティ)
文豪は登場人物を簡単に理解しない。
・聞き上手は主導権を相手に渡す
尋問が1番ダメな聞き方。
例:犯罪捜査では、捜査官が主導権を握る。
そして、質問者は聞きたいことだけを聞く。
相手は、気持ちよく話せるわけがない。
したがって、聞き上手は、漠然とした質問で話を相手に委ねる。
例:『最近どう?』や『ご機嫌いかが?』
聞き上手は、相手に主導権を渡す。
相手をピッチャ-にして、キャッチャーになる。
自分が目立つのではなく、相手に花を持たせる姿勢。
・本書の聞き上手とは、お互いが人として成長する
能力であり、態度である。
聞き上手に話を聞いてもらって、自分の力を
認めてもらった人は、それだけで幸せな気持ちになる。
・進化心理学でわかる男女の本能
女性はただ愚痴を聞いてほしいだけなのに、
相手の男性は余計なアドバイスや意見をしたがる。
男性の本能は、多くの異性に種をまこうとする。
女性の本能は、よりよいパートナーを求めて本命を乗り換える。
男女の利害は、違う。と理解し認める。
女性から見た、男性の聞き上手には必要。
・聞く力こそ情報化社会の成功スキル
氾濫する情報をうまく聞く。
インターネットによって生まれた弊害(インフォデミック)
=情報の感染爆発。
出回っている情報の中には、もっともらしいもの、
素人には判断がつかない情報もある。
流れる情報を、いかに「聞く」かが重要。
拡散者にならないためには?
わからないことに結論を出さない。
=ネガティブ・ケイパビリティで「わからない」に耐える。
そして、わかったふりをしない。
・ひと呼吸おく
『ふぅーむ』『うーむ』で第一チャクラ、第二チャクラを活性化。
危機のときほど、聞く力が必要になる。
先の見えない時代に必要なのは、柔軟に対応する能力。
・相手が話し出すのを待つ
『雄弁は銀、沈黙は金』(ヨーロッパ格言)
相手が話し出す、10秒沈黙してみる。
・相手と同じ動作をする
共通点がある人は好感をもたれる。
・聞いていますシグナルを出す
本当に聞いているかよりも大切なこと。
=「私はあなたの話を聞いてますよ」と相手にわかって
もらうことが、聞き上手になる最も大事な技術。
・聞く達人は根源的欲求を引き出す
欲しいものと、本当に得たいコトは違う。
聞き方の態度によって、話し手は深いところの話ができる
➩まだ整理されていない、深いところに話が及ぶ
➩相手は自然と問題に対峙し、解決に向かう。
★奥義『根源的欲求が相手から出てくるとき、
大きな精神的成長が起こる』
Wants(need)の先にあるものが大切
例:車が欲しい人の根源的欲求は物欲か?
否。根源的欲求は、車を所有した後の出来事。
・前意識がすべてのカギを握る
有意識と無意識の間にあるもの。
前意識は普段、意識することは無いが、努力で意識化できる
ことから、無意識とは区別される。
根源的欲求(リビドー)にアプローチするには、
その調整役である前意識に注目する必要がある。
・うなずき、あいづちのコツ
ちゃんと聞いているよ、の合図以外にも、相手を不安にさせない。
うなずき2割増し、あいづち3割増しで接する。
初対面の相手にはそれぐらいでちょうど良い。
・オープンクエスチョンで質問する
オープンクエスチョンとは、YesかNo以外の
回答で答える質問。
仮説確認質問ではなく、仮説を生成する質問をする。
例:マスコミは論調を前提に聞く『自粛生活、辛いですよね?』
これは、完全に仮説確認質問。
一方,仮説を見つけるための質問をする記者は、
『自粛生活どうですか?』とやる。
『最近、どう?』といった、挨拶と質問の中間のような
問いかけは、仮説生成質問(オープンクエスチョン)となる。
→漠然とした質問だからこそ、相手は自由にはなせるし、
「自分って、こんなこと思っていたんだ」と気付くこともある。
・繰り返し、言い換え、反射
傾聴・・・意識して、よく話を聞くこと。
これが、聞き上手な人の基本。
傾聴の基本フォームが、【繰り返し、言い換え、反射】
繰り返しは、受け止めていますの合図。
言い換えで、仮説を立てておうかがいを立てる。
反射とは、話を発展させること。相手の考えを
より深いところへ持っていくテクニック。
・相手を応援する気持ちで聞く
応援の基本は寄り添って促すこと
寄り添うとは、空間と時間を共有すること。
ただ、一緒にいて相手に注意を向けるだけで
促すことができる。
まとめとなりますが、聞く力は人間力であり、
人間力を成長させることで、聞く力は増し
人間関係を円滑にする。
人間関係を円滑にすることで人生を豊かにする。
そんなことが学べる1冊となりました。