第71冊 手紙屋 蛍雪編  喜多川泰著

こんにちは。 📚500冊読破を目指す9696です。

勉強は「道具」

 

著者が言いたいことを推測

前作喜多川泰著『手紙屋』のスピンオフ。

前作では、働く意味だったが今作では学ぶ意味

について手紙屋と10通のやり取りをする。

前作にて、欲しいものを手に入れるには、

物々交換である。や、自分にあった仕事を

探さない。等物事に対する違った方面からの

味方を学ぶことができた。

今作も今までに気づかなかった多方面からの

味方が学べるのかと、胸が躍る。

 

・一通目『勉強も1つの道具』

 将来のために勉強しなさい!は神話的イメージ。

 勉強は1つの道具にすぎない。

 ナイフの便利さと危険性を知っている。

 したがって、他人や自分を不幸にしないで済む。

 では、勉強という道具の危険性は?

  相手を見下すようになる人がいる。

  挨拶すらろくにしなくなる人がいる。

  他人を批判するようになる人がいる。

  他国を憎むようになる人がいて、

  他国の文化を否定する人もいる。

勉強は、やらないよりやった方が良い

というものではない。

何の目的のために勉強という道具を使うのか?

 

・二通目『学校で習うことだけが勉強ではない』

 勉強は何のためにするのか?に

明確な回答はない。

しかし、抽象化すれば見える共通点。

例:電気でいうなら、『生活を便利にする』。

とすると、

便利になるように使えば、正しい使い方。

不便になるように使えば、間違った使い方。

・三通目『心の成長なくして、結果なし』

 勉強という道具は、自分をピカピカに磨いて

 昨日とは違う自分になるためにある。

 したがって、勉強という道具で学力が伸びても

 人から嫌われるようでは、間違った使い方。

 勉強不要論や減量論の原因は、間違った

使い方をした人が増えてしまった結果。

 私たち人間は原子の時代から、勉強すること

 によって先人の知恵を学び昨日までの

自分とは違う自分になるという変化をした。

本棚の本はたくさんの人生の集大成。

 

・第四通目『自分が生きる意味は、自分でつくる』

 自分の存在理由は、いくつでも

つくることができる。

生まれながらに与えられているわけではない。

どんなに小さい意味でも良い。

1つあるだけで、人生は光り輝く。

 

・五通目『困難を可能にするのは意志の力』

 意思は人生すべてを左右する力を持つ。

 いいことを学んだら、即実行。

 

・六通目『成功するために必要なものは

     方法ではなく行動だ』

 人間の「想像力」はそのまま「創造力」。

 この世のすべての人に平等に与えられている

 ものは、今という時間。

 時間の使い方は2つ

 ➀自分がやりたいコトをやっている時間

 ②自分がやるべきことをやっている時間。

 

・七通目『家に帰ってから最初に座る場所で

     自分の人生が決まる』

 勉強と実力の関係は二次関数の曲線。

 ある日突然、成果を出す。

 Aの値、興味の度合いが伸び率を左右する。

 たいがいは、グンッ!っと伸びる前に諦める。

 信じて続けなければならない。

 帰ってきたとき、TVの前に座ればTVを、

 机の前に座れば、勉強を始める。

 すごいことを、長期間やる覚悟ではなく、

 まずは自分を磨くための場所に座り始めよう、

 と思い、それを習慣にするだけ。

 

・八通目『何をやるかよりもっと

大切なことがある』

 勉強でやることを決めて続けていくと、

 それをこなす事が自体が自分のやるべき

 ことと錯覚をしてしまう。

 何をやるかと同時に、どうやってやるかも

 考えてみる。

 予備校や塾も「道具」として便利で有効だが、

 伸びる場所は、一人で勉強する自分の部屋

 でしかない。

 例:ピアノ教室に通ったとしても、

上達するのは一人で練習したとき。

 大切なのは、勉強を使ってどう自分を磨くか

 を常に考える事。

 勉強を通じて心のゆとりを持つためには、

 周到な準備と反復練習によって絶対的な自信を

 自分で作り上げるしかない。

 

・九通目『全ての教科が、人生を豊かにする

きっかけになる』

 動機は不純でも【あこがれ】なんかも

 大きなエネルギーを生み出す。(獣?)

 人間にとって難しいのは、覚える事より

 忘れること。

 忘れたいのに、忘れられないから苦しむ。

 という事は、人間は覚えるのが得意。

 覚えられるものと覚えられないものの違いは

 「興味」の有無。

 「興味を持つ」という事が非常に重要となる。

 教科の前に、人に興味を持つ。

 人に興味を持つためには「想像力」。

また、人に興味を持つことは

生きていくことでも重要。

 

・十通目『今日一日の勉強が、

     将来の世界を大きく変える』

 ボランティア活動とは、困っている人を

 助ける活動ではなく、私たちより強い人から

 教えてもらう活動。しかも無料で。

 勉強という道具は「自分を磨くため」

だけの道具ではない。

もう一つある。

それは、人の役に立つため。

これら2つの目的のために使って

はじめて、正しい使い方をしたといえる。

勉強する権利は、先人が命懸けで

戦って、手に入れた権利。

自分のためにと思って読んでいた視点が、

他人のためにに変わったとき、

新たに多くのことを発見できる。

 

勉強とは、『人の役に立つためにする』

えてして、自分の将来のため、困らないように

騙されないように。となってしまいそうである。

いや、現にそう口にしてきた。

勉強は、自分を磨くため。そして、人の

役に立つためにする。

青臭いように聞こえるが、真実である。

勉強という道具を正しく使う。

この概念は、新たな発見となった。

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